Lv1基礎-30 特殊規則13 特定の字種別の連続時の発音規則
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青色個所=へえ、そうなんだ程度に飲み込めるもの
黄色個所=日本語にはない概念で覚えるのに注意が必要なもの
赤色個所=理論的に煩雑になり、覚えることが多く、タイ語学習において踏ん張りどころとなるもの
タイ語の特殊規則 特定の字種別の連続時の発音規則
この項目は、声調規則に関するものですので、
声調規則の知識を先に理解することが必要になります。
まだ声調規則に取り組んでいない人は
声調規則の項目をマスターしてから
また立ち戻ってきてください。
タイ語基本声調規則に優先して決まる規則
基本的な声調規則はパターン化されていますが
それに優先して決まる規則がいくつかあります。
1)中音字+低音字 の場合
中音字と低音字単独が連続する場合、2つ目に来る低音字の発音規則が中音字のものに変わります。
どういうことかというと、
例えばจมูกのようにจ(中音字)とม(低音字)が続く場合。
最初のจมの文字列は母音なしで子音が連続するパターンですので
特殊規則12 ะを補って読むものに従い
母音のะを補います。
よってจะ-มูกになります。
音素は最初の音節が中音字(จ)+短母音(ะ)なので、jà
2音節目が低音字(ม)+長母音( ู )+末子音[低音字単独以外](ก)なのでmûukとなりそうですが、
このケースでは2音節目が中音字のものに変わります。
なので中音字のルールに変わった低音字(ม)+長母音( ู )+末子音[低音字単独以外](ก)となり、
発音はmùuk、となります。
いくつか例を出します。
3
タイ語 | 発音 | 意味 |
จมูก | jàmùuk | 鼻 |
อร่อย | àrɔ̀ɔi | 美味しい |
องุ่น | àŋùn | 葡萄 |
อは子音ではありませんが、母音のะを補って2音節化します。
中音字+低音字の特殊規則の例外
この特殊規則が当てはまらない例外はอ+ยの場合です。
タイ語 | 発音 | 意味 |
อยาก | yàak | ~したい |
อย่า | yàa | ~するな(禁止) |
อย่าง | yàaŋ | ~のように |
อ+ยの文字列の場合はอにะを補いません。
อはないものとして発音します。
しかしยの発音規則はอと同じく中音字のものとします。
飲み込めるまで時間をかけて読んでみてくださいね。
2)高音字+低音字単独 の場合
高音字と低音字単独が連続する場合、2音節化して低音字の側が高音字の声調規則に則ります。
たとえばสมาชิกのような単語。(意味は「会員」)
最初のสมの文字列は母音なしで子音が連続するパターンですので
特殊規則12 ะを補って読むものに従い
母音のะを補います。
よってสะ-มาになります。
音素は最初の音節が低音字(ส)+短母音(ะ)なので、sà
2音節目が低音字(ม)+長母音( า )なのでmaaとなりそうですが、
このケースでは2音節目が高音字のものに変わります。
なので高音字のルールに変わった低音字(ม)+長母音( า )となり、
発音はmǎa、となります。
สมาชิก=sàmǎachík
特殊規則12 ะを補って読むものででてきたถนน、ขนม、พระโขนงの例もこれに該当します。
高音字+低音字単独 の特殊声調規則の例外
ここにも例外があります。
高音字のหと低音字単独が続く場合です。
タイ語 | 音素 | 意味 |
หญ้า | yâa | 草 |
หมา | mǎa | 犬 |
หยิบ | ìp | 拾う |
หมื่น | mʉ̀ʉn | 数字のけたの「万」 |
อ+ยの文字列の場合はอにะを補はなかったのと同様に、
ห+低音字単独の文字列の場合はหにะを補いません。
หはないものとして発音します。
しかしหに続く低音字単独の発音規則はหと同じく高音字のものとします。
หญ้า→หは無視する。ญは低音字単独なので ้ がつくとyáaとなるはずだが
高音字の声調規則に従うためyâaとなる。
などのようになります。
3)その他のケース
それでは、その他のケースはどうなるでしょうか。
特殊な声調規則が適用されるのは上述した
中音字+低音字単独以外
高音字+低音字単独以外
の2ケースに限ります。
ほかのもの、つまり母音がなく子音が連続する場合はどのように発音すればよいのでしょうか。
答えは、特殊規則12 ะを補って読むものに従い母音を補ってできた音節通りに読む、でよいのです。
いくつか例を挙げます。
タイ語 | 音素 | 意味 |
สถานทูต | sàthǎanthûut | 大使館 |
แสดง | sàdɛɛŋ | 表す、示す |
สบาย | sàbaai | サバーイ |
เฉพาะ | chàphɔ́ | 特に、特別な |
เบณจางคประดิษฐ์ | benjaaŋkhápràdìt | 五体投地の礼拝 |
เกร็ด | krèt | 地名。クレット島 |
สถานทูต
これは高音字+[高音字+長母音+末子音低音字単独]の組み合わせとなっています。
最初の高音字のみにะを補い2音節に分け通常の声調規則通りに読みます。
sà-thǎan-thûut
แสดง
これは高音字+[中音字+長母音+末子音低音字単独]の組み合わせとなっています。
最初の高音字のみにะを補い2音節に分け通常の声調規則通りに読みます。
สบาย
これは高音字+[中音字+長母音+末子音低音字単独]の組み合わせとなっています。
最初の高音字のみにะを補い2音節に分け通常の声調規則通りに読みます。
เฉพาะ
これは高音字+[高音字+長母音+末子音低音字単独]の組み合わせとなっています。
最初の高音字のみにะを補い2音節に分け通常の声調規則通りに読みます。
เบณจางคประดิษฐ์
คประดิษの部分ですが、ปรを複合子音として一文字とみなせば、
低音字+[中音字+短母音+末子音低音字単独以外]の組み合わせととらえることができます。
この場合คにะを補い、そのまま読み上げればいいのです。
最後のเกร็ดはひっかけです、kà-rétではありません。
ก+รは複合子音なので、こちらを優先します。
タイ語の発音特殊規則まとめ
ここまでで一通りの特殊規則を13回に分けてお話ししました。
お疲れさまでした。
これを当てはめていけば、95%のタイ語は正確に発音できるでしょう。
え?残りの5%は?
特殊規則 おまけを参照ください(^o^)
覚えきるには時間がかかります。
そもそもこれらの特殊規則は覚えるものではなく、
実際にタイ語の文章に触れるにあたって
わからないところや溜飲が下がらないところが出てきたら
つど参照する、という辞書のような使い方を想定しています。
暗記しようとしてできなくてへこむ、というのはナンセンスです。
必要性のないものは暗記できません。
この13のケースのような場面に出くわしてから始めて、
特殊ルールを覚える必要性が出てきます。
写経もせず、またリーディングの練習もしないで
これらのルールだけを覚えても無意味です。
声調規則とともに概要がつかめたら、Lv1実践・特に音読のコースへと進んでください。
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最終更新日:2016/09/24