Lv1基礎-31 特殊規則おまけ 例外の例外の例外
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青色個所=へえ、そうなんだ程度に飲み込めるもの
黄色個所=日本語にはない概念で覚えるのに注意が必要なもの
赤色個所=理論的に煩雑になり、覚えることが多く、タイ語学習において踏ん張りどころとなるもの
どうにも説明のつかないタイ語の例外の例外の例外
これはおまけです。
基礎声調に13も例外的な特殊規則がある上にそれらにも例外がある、さらにそれらのどれにも当てはまらない例外の例外の例外がある。・・・タイ語は本当に例外が多いですね。もうここまで来たら笑うしかないでしょう。苦笑しながら読んでください。
体で覚えるしかないタイ語の例外中の例外
このようにタイ語は理詰めで覚えるのではなく
「マイペンライ」な気質でとにかく量に触れ
体で覚えるしかないケースがどうしても残ります。
そんな例をいくつか挙げます。
1)เจริญราษฎร์ チャルンラート(道路名)
jàrəənrâat と読みます。
จรの文字列は特殊規則12 ะを補って読むものに従いจにะを補いjàになります。
ราษฎร์の部分は、
まずร์は特殊規則8 黙符 ガーラン「 ์ 」に従い無視します。
しかしราษฎがどうしても説明つきません。
なぜrâatなのか。
ษฎは母音のโ-ะがかくれているのではないのか?
ษฎにะを補わなくてよいのか?
ราษฎの部分はrâatである、
としか言いようがないのです。
2)โฆษณา (広告)
khôosànaa と読みます。
โฆษは低音字ペア+長母音+末子音低音字単独以外、でkhôotになる、かつ
特殊規則12 ะを補って読むものの「見えていないが存在する短母音ะ」の項目の「ะを補う例2)」の小項目で説明したケースに当たり「khôotsà」という音になるのはいいのですが
ษณの文字列は高音字+低音字単独なので特殊規則13 特定の字種別の連続時の発音規則に従い
sànǎaになるのかと思いきやsànaaのままなのです。
3)แสม とแสน
この二つ、どう読むかわかりますか?
一つ目は慣習的に、sâmɛ̌ɛと読まれ、
二つ目は一般的にsɛ̌ɛnと読まれます。
แสมは地名です。
ラヨーン県というところにはแสมสาร(sâmɛ̌ɛsǎan)という港があり
パタヤ沖のラン島にはหาดแสม(hàat sàmɛ̌ɛ)というビーチがあります。
แสนは数字の単位の10万を意味します。
ではここで、なぜ?と疑問がわきますね。
どちらも高音字+低音字単独以外、の組み合わせです。
特殊規則12 ะを補って読むものに従ってどちらも2音節化するのかと思いきや、そうなっていません。
また、なぜแสมがsɛ̌ɛmにならないのかも説明がつきません。
以前、会社の仲間でラン島のサメービーチに遊びに行ったとき
会社の仲間が案内所で「sɛ̌ɛmビーチに行きたいのですが」ときいたら
「sàmɛ̌ɛでしょ?」と突っ込まれて照れ笑いしてました。
タイ人でもパッと見は判別がつかないのです。
なぜそうなるかと聞かれれば、
「そうなるから」としか答えようがありません。
・・・苦笑するしかないですね。
タイ語を学ぶのに必要な温度感
いちいち躓いていたら永遠に先に進みませんので、
これは「そういうものなのだ」としてあまり深く考えないようにしましょう。
理由の一つに、おそらくこれらの語の一部はサンスクリット語源で
サンスクリット語で書けば何かヒントがあるのかもしれません。
しかしそこまで行くともはや「タイ語」というよりは
言語学の領域に入っており、
古代語の教養が必要になってきますので
そこまで到達していないわたしには今のところ説明できません。
分からないことは分からない、で後から機会があれば調べればいいと思います。
みなさんもこの加減を大切にタイ語の学習を進めてください。
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最終更新日:2016/09/24